胎児の検査

ATL抗体検査とは

妊婦健診の際に行った血液検査の中にATL(成人T細胞白血病)の抗体検査というのがありました。いままで聞いたこともないし、本にも出ていないようです。どういう検査で、どんな意味があるのか教えてください。

回答者

住吉 好雄
横浜市立大学医学部産婦人科客員教授

平原 史樹
横浜市立大学大学院医学研究科生殖成育病態医学教授

この検査では成人T細胞白血病(ATL)や神経疾患(HAM/TSP)、肺疾患、眼疾患、関節疾患などを引き起こすHTLV-1(HumanT-cellleukemiavirustype1)に感染しているかどうかを調べます。
HTLV-1の母子感染は主として母乳を介して起こります(垂直感染率15~30%)が、一部には(3~5%)胎内感染も見られるといわれています。
直接母乳哺育を希望する人は、母乳を家庭用フリーザーで一晩凍結させ、室温で解凍し、哺乳びんで飲ませる方法もあります。
HTLV-1は潜伏期間が長く(発病までに40年以上)、成人になって約4%が発病し、予後の悪い成人T細胞白血病を発症します。
したがって、この抗体検査が陽性の妊婦さんの場合は、人工乳もしくは凍結母乳で哺育することで胎児への感染を95%防ぐことができるという意味があります。

(参考文献)日母研修ノートNo.47妊娠とウイルス感染、p.77~81

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