気がかりな症状
歯の破折と脱臼
転んで、前歯2本がグラグラになってしまいました。
どうすればいいでしょうか。
永久歯に影響はあるでしょうか。
回答者
赤坂 守人 日本大学名誉教授 |
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近年、子どもの事故・ケガが多く見られるようになり、それとともに歯・口のケガも多くなりました。
幼児の歯の受傷ピークは、1歳6か月から2歳6か月ごろです。
歯の外傷には歯の破折と脱臼がありますが、乳歯は脱臼(完全な脱臼は歯の脱落となる)が多くなります。
歯がグラグラするのは一般に脱臼かあるいは歯根の先端部での破折によります。
いずれもしっかり歯を固定すれば歯は助かります。
固定処置による予後は、受傷から治療を受けた時間に影響されますので、早急に歯科医院を受診したほうがよいでしょう。
しかし、この時期の子どもの治療は号泣するなど困難が多いため、子どもの扱いになれた小児歯科専門医を受診することをおすすめします。
受傷が低年齢であればあるほど、永久歯への影響、その頻度、程度など強くあらわれます。
最もひどい状態では永久歯の上の前歯が顎骨の中にとどまって生えなかったり、歯の発育不良になり形の変形を起こします。
そこで歯科医により定期的に観察してもらうことが大切です。