子どもと病気・薬の知識

水薬・粉薬の保存

水薬や粉薬の残りはいつごろまで使ってよいのでしょう。
以前のが2日分残っているのですが。

回答者

横谷 進
国立成育医療研究センター生体防御系内科部部長

水薬や粉薬は、家庭で保存した場合にどれくらい有効かは、たくさんの条件の違いのために一言で答えることができません。

薬は置いておくと効きが悪くなることはよく知られています。
なぜそうなるのかというと、有効成分がゆっくりと化学変化を起こすためです。
たとえば、空気中の酸素と反応する、水分(湿気)を吸って変化する、光のエネルギーによって化学結合が変化する、などが起こるのです。
製薬会社は、薬品ごとにこれらの点について配慮したうえで、なるべく化学変化の起こりにくい包装や容器に入れて、保存条件の注意書きをつけて薬剤を出荷しています。
薬局では、その指示に従って保管し、処方せんを受け取ってから調剤することになります。

水薬や粉薬は、錠剤のように有効成分が閉じこめられていないので、もともと空気や水との接触や光による変化が起こりやすいのですが、調剤時にほかの薬と配合されることから、さらにいろいろな化学反応の可能性が生じてきます。
また単剤(1種類の薬)の粉薬にしても、分包のために量を適切に増やす目的で乳糖などの粉(賦形剤)を加えることがあるので、薬がそれによってゆっくりと化学反応を起こすことがあります。
さらに、水薬の場合には、それがいつも無菌的に(菌が混入しないような方法で)扱われるわけではないので、容器の中で細菌が増えるおそれもあります。
こうしたことから、おおまかにいえば、ていねいに使用しても、粉薬で1か月、水薬で2週間といった期間が、おそらく有効な期間の目安ではないかと思います。
もちろん、種々の条件によりケースバイケースではあります。

有効期間が短くなってしまわないためには、化学変化の起こりにくい条件で保存することも大切です。
密閉容器に入れて湿気と余分な酸素から遮断すること、箱の中などに入れて光をさえぎること、そして、温度が上がりすぎないようになるべく冷たいところに置くこと、を守りましょう。
冷蔵庫もよいのですが、完全な密閉容器に入れ、開ける前に室温に慣らさないと、結露のための湿気でかえって効きが悪くなるおそれがあります。

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