見守りたい健やかな成長
言葉がおそいのは親のせい?
言葉がおそいと心配していますが、パパにお前が先にいってしまうからだといわれました。そんなつもりはなく、一生懸命に話しかけていたつもりでしたが、子どもがいおうとしていることを先回りしていたのでしょうか。そういうことで言葉がおそくなることはありますか。
回答者
井口 由子 (財)児童育成協会こどもの城小児保健部部長 |
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「言葉がおそい」といっても、いろいろな状態があります。
発達全体がゆっくりで、まわりのものごとの理解や生活習慣の形成、運動能力など、いろいろな面でおくれがあると感じられる場合は、たんにママのかかわり方だけで、言葉がおそくなることはありません。
ただ、ほかの面ではおくれているように思えないのに、話す言葉がなかなか増えないというときには、環境の影響も考えられます。
子どもが、自分でなにかを伝えたい、言葉でいいたいという気持ちを持っていないと、言葉はなかなか出てこないものです。
とくに、親がとても察しがよくて子どもがいう前にわかってあげてしまう場合、子どもが言葉を口にする前に親が話してしまう場合、なにかまわりの環境から大きな心理的圧力を感じている場合などは、自分から気持ちを外に出そう、言葉を発しようという意欲が低くなってしまいます。
親としては一生懸命子どものためにしているつもりでも、ときには振り返ってみることが必要ですね。
言葉は、子どもが自分で獲得していくものです。本人からいい始めるのを少し待ってみるという心がけも大切です。