流産
稽留流産といわれたが
最終月経から数えると、現在妊娠3か月半ばですが、超音波検査で子宮の中に胎児の入っているべき袋は見えるのに、胎児は見えないため、稽留流産といわれました。出血も腹痛もありませんが、そんなこともあるのでしょうか。
回答者
木村 好秀 日本保健医療大学客員教授 |
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ふつう、流産には出血と疼痛をともないます。
稽留流産とは、胎芽あるいは胎児がすでに子宮内で死亡しているにもかかわらず、不正出血や下腹痛が見られない病態をいい、そのため子宮は日数を経ても増大しなくなります。そして、やがては流産症状を呈してきます。
近年、超音波エコー、とくに経腟超音波エコーが利用されるようになり、胎芽や胎児の生存はその心拍が描出されるか否かで妊娠を早期に診断することができるようになり、異常があれば早い時期に診断することが可能となりました。
超音波エコーが応用される以前には、出血や下腹痛、子宮の増大停止などが見られない場合には、診断は容易ではありませんでした。
稽留流産のような場合、臨床症状がないことや乏しいだけに、患者さんに稽留流産の病態を納得していただくのにしばしば苦慮しております。
妊娠は成立したものの染色体異常などのために自然淘汰されたものと考えるのが妥当と思います。